しもみずの未来へ
若葉のフレッシュな香りに伸びやかな気持ちになるこの頃、組合員の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
2期4年間の任期を終え、直前理事長として皆様に一言ご挨拶させて頂けたらと思います。
振り返れば、新型コロナウィルスが蔓延する真っ只中で理事長就任をし、初めの2年間は通常総会もリモート参加と対面参加によるハイブリッドでの開催となっておりました。初めての時は運営の不手際もあり、リモート参加して頂いた前田市長にお待たせするアクシデントもありました。組合の理事会は、この4年間でほぼ毎回zoomを使ったリモートでの開催となり、今ではすっかりリモート会議に慣れたことは、コロナ禍でやむを得ず進んだDX化は、数少ない良かったことの一つだったと思います。
また、接客業を主体としたコロナ対策としての「下関安心安全宣言」を、唯一接客業以外で取り入れたことは、単に自分たちの営業機会を死守するためではなく、広く市民生活を守るためでもあり、ライフラインである水を守る私たちとしてはその存在意義を示すことに通じ、業界としてもパンデミック下での営業ガイドラインが制定できたことは、大変有意義だったのではないかと思います。
しかしながら、理事会では話し合われたものの、学校への水道に関する調査・修理等の対外的な支援活動が行えなかったことは心残りの一つでもあります。具体的なアクションを以て、仕事に通ずる市民へのボランティア活動は、単に支援という枠に留まらず、次世代の担い手へのメッセージという側面も含んでおり、今後の業界全体を取り巻く人手不足への対策としても考慮すべき課題に対する一つの具体案であると思われるため、今後も要検討して頂きたいと思います。
私が力を入れていたSDGsをはじめとする持続可能な社会へのアプローチですが、「下関市環境配慮行動優良事業者認定制度」に於いては、組合自身が認定を受け、他の組合員と合わせ6/42者の割合(令和6年2月1日現在)を占めることができました。環境への取り組みとしては初歩的で、単に入り口には過ぎませんが、意識付けと共に今後より一層進めていく切っ掛けになればと思っています。2050年カーボンニュートラル達成は、誰一人として例外はありません。今後業界が正しく発展する上では避けて通れない道を組合自らが示していくことで、進むべき道筋の参考となり、組合員外との差別化を図る上でも充実させていかなければなりません。世間一般ではなかなか進まない環境への取り組みですが、出来ることから始めなければ未来に対する責務を果たすことはできません。置き土産として次の一手を既に用意しておりますので、注目して頂ければと思います。
また、資金面では順調だった組合運営の元で、理事長就任以来多くの寄付をさせて頂いたことにも深く感謝しています。1社で行える寄付に大きなインパクトはありませんが、皆んなで寄り集まっているからこそ出来る活動の一つであると思います。初年度は下関市に対してコロナ対策資金を。翌年度以降は国境なき医師団へ国内外での活動に役立てて頂きました。特に近年はウクライナやパレスチナをはじめとする大規模な紛争も起きており、3年間で寄付した結果を例えると、子供の栄養治療食42,000食分、或いは避難民への簡易シェルター用の資材50家族分に相当し、私たちの寄付で多くの命が救えたことは各組合員自ら誇るべきことです。その他にも、令和6年能登半島地震へは、寄付だけに留まらず、今現在出動には至ってないものの、復興支援への準備(備品の準備に関しましては、下関管財様に大変おせわになりました)や出動要請に対して多くの組合員に手をあげて頂き、私たちの存在価値を大いに発揮できる機会に答えて頂けたことに対して、心から感謝申し上げます。これからも、集団活動の基礎となる指標であるISO2600(JIS Z 26000・社会的責任)に準拠し、国内外問わず社会貢献活動を続けて欲しいと切に願っております。
近年、特に建設業界に於ける団体の解散が相次いでおりますが、私たちはこれからも大切な水という命と切ってもきれないライフラインを守るために、知恵を出し合いながら存続し続ける必要があると思います。市長や議長・副議長・水道事業管理者をはじめとする来賓者が定時総会後の懇親会や新年互礼会・役員忘年会に出席頂いているのも、今後のより良い関係性を保つためであり、組合員からの意見交換は元より、業界を代表する団体へ昇華することで、組合員の地位向上に繋がると思います。内向きな思考に偏ることなく、市政全体を見据えた活動を行えるようにこれからも研鑽していって欲しいと願っています。
昨年立ち上げたホームページですが、まだ未完成のままです。本来見据えていた機能を充分に果たせているとは言い難い状況ではありますが、それでも検索結果は上位に位置され、本来自社のみでSEO対策を施すことを考えた時には、かなりのコストパフォーマンスを示していると言えます。組合のホームページをクリックすれば、組合員それぞれの情報が載っており、各社へ繋がるリンクはの皆さんのホームページの価値を大きく押し上げていることになります。今後、Webでの発信を益々増やし、下関界隈に於ける水道に関するキーワードを席巻出来るようになることを期待しています。 組合活動とは、相互に協力し合い、共に伸びていく事が肝要だと思います。誰かが何かをしてくれるのを期待するのではなく、理事を中心とした具体的なアクションを通じて、組合員の皆さん自身が発信し行動することで、より充実した各組合員の営業活動とリンクし、業界・まちと共に発展して欲しいと心から望んでいます。また、ホームページにも大きく書かれている「しもみず」の認知度を高め、下関での水道関係者は「しもみず」をおいて他にない、という状況になることを目指していって欲しいと思います。
今後、水道公社の廃止等、組合を取り巻く環境にも大きな転機が訪れることが予想されます。その時をピンチと考えるのではなく、チャンスと捉えられるように、広い視野と中長期の展望を見据えた判断を新理事には期待しておりますし、必ずやって貰えると確信しております。それだけの人材が、当組合には多数存在していると思います。組合活動は、なるべく多くの組合員に携わって頂く事が肝要です。停滞した常識に捉われず、様々な立場からの意見が交錯し、常に新陳代謝し組織が活性化し続けることで、業界が停滞することの無いように運営することが望ましく、今後もどんどん若い人材の輩出・育成をし、組合・組合員双方が持続・発展をしていって欲しいと思います。
最後に、短い間ではありましたが、拙い私の理事長としての活動に対する皆様のご協力に、心から感謝申し上げます。今後は監事として後方より支援できることを精一杯頑張って参りますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。
下関上下水道工事業協同組合員の皆様が今後益々ご繁栄し、市民のみならず世界の人々を支え続けることを、心から祈念申し上げ、本来定時総会内でお話ししたかった私からのご挨拶とさせて頂きます。
2024年5月28日
直前理事長 合田 哲朗